探偵!ナイトスクープ「感動した」で終わらせていいのか──12歳ヤングケアラーの現実
人気番組 探偵!ナイトスクープ で放送された、
「12歳の長男が5人のきょうだいを日常的に世話している家庭」の依頼は、多くの視聴者の心を打った。
依頼内容は、「1日だけでいいから次男になりたい」。
小学6年生の長男が、共働きの両親に代わって、0歳から10歳までのきょうだいの面倒を見る日々。
その役を せいや が引き受けるという構成は、番組らしい温かさと笑いに包まれていた。
SNSでは「偉すぎる」「泣いた」「いい話だった」といった声が多く上がった。
だが、このエピソードを法の視点で見たとき、手放しで感動してよい話なのか、強い疑問も浮かび上がる。
民法上、子どもを養育・監護する義務を負うのは親であり、兄弟姉妹に育児の法的義務は存在しない。
もし12歳の子どもが恒常的に家事や育児を担い、その結果、
- 学業
- 睡眠
- 友人関係
- 心身の健康
に支障が出ているのであれば、親の監護義務違反が問題となり得る。
さらに児童虐待防止法では、暴力だけでなく「ネグレクト(育児放棄)」も虐待に含まれる。親が存在しているにもかかわらず、年齢に不相応な責任を長期間子どもに負わせている場合、
本人が「困っていない」「不満はない」と語っていたとしても、法的にはネグレクトと評価される余地がある。
番組内で、せいやが「お前はな、まだ12歳や」と長男を抱きしめる場面は、多くの視聴者の涙を誘った。
だが、その言葉こそが、この問題の核心を突いている。12歳は、本来誰かを育てる側ではなく、育てられる側であるはずだからだ。
2024年に施行された改正子ども・若者育成支援推進法では、ヤングケアラーは明確に「支援の対象」とされている。
つまりこの問題は、家庭の美談でも、本人の自己犠牲でもなく、社会と行政が介入すべき領域に位置づけられている。
感動すること自体が悪いわけではない。しかし、「いい話だった」で終わらせてしまえば、
その子が抱えているかもしれない負担や孤独、将来への影響は、再び見えなくなってしまう。
この放送は、泣いて終わる話ではなく、考え始めるための入口であるべきなのだろう。
記事のまとめ▼
- ナイトスクープで12歳ヤングケアラーの家庭が紹介され話題に
- 視聴者からは感動の声が多数
- 法的には親の監護義務との関係が問題になり得る
- 児童虐待防止法上、ネグレクトと評価される可能性も
- 本人が「困っていない」と言っても支援は必要
- ヤングケアラーは法的にも支援対象
- 美談として消費せず、社会的支援につなげる視点が重要
参照:Yahoo!ニュース
Xの反応

いい話で終わらせていい内容じゃないと思う

子どもが立派なのは事実だけど、親はそれでいいのかな…とも思ってしまった
